学校ってどうして変なの?大学職員の日記

学校の文化や制度が変だと、よく言われています。なぜ変なのか、学校の中から考えてみます!

進学説明会で効果的な質問

こんばんは!ダーツーです!

 

今回は、進学説明会というイベントに行くときの職員の気持ち側から、参加受験生がどうしたら学校の本質を聞けるか!ということをお伝えします。

中学、高校、大学と、私立であれば大体の学校は進学説明会というイベントに定期的に参加しています。

(国公立も私立程じゃないですが、もちろん参加しています)

志願者募集を目的に参加しているんですね。

 

最近、私も仕事で行ってきましたので、説明側の気持ちを書きつつ、受験生側はどういう質問をすれば良いのかを聞くといいか、という内容で書いていきます。

まず、イベントの概要ですが、なんとなく皆さん想像できると思います。

ビックサイトや幕張メッセ、はたまた県庁所在地の大きな体育館などで30校くらい学校関係者が集まり、数百人もしくは数千人規模で受験生が集まるイベントです。

学校毎に小さなブースがあって、参加者(受験生)は検討している学校のブースに行って話を聞く、というイベントですね。

 

 

 

まず、参加学校側(私)の気持ちとしては。。。

 

志願者を集めるために一生懸命本学をアピールするぞ!

という気持ちです。これ、かなり強いです。

 

その気持ちが強いからこそ、同時に以下のことを考えます。

1、本学に合っている生徒(来てほしい生徒)が来たらしっかりアピールするぞ!

2、本学に合わない生徒が来たら、うまく切り上げたい。。。

3、そうは言っても生徒の本質を見極めるには時間が短すぎるので、各組長引かせたくない。。。

4、バランスが大事だ!

なんてことを考えています。

 

では実際には、どのようになるか。

いろいろな気持ちがあったうえで、4、バランスが大事だ!にたどり着いているので、

基本的には毎回決まった内容の話をしよう!

というスタンスでいます。

 

その結果。。。

まずは受験生側の簡単な気持ちを聞く

・本学のブースに来てくれてありがとう!

・本学の何学部に興味があるの?

・学びたいジャンルの気持ちは固いの?まだ悩んでるの?

です。

 

あとは学部毎に、自分で決めている内容を話します。

もちろん、良いことを中心に話します。

というか、悪いことはほとんど話しません。

 

一日に何十回も同じ話をする&それを毎週・毎月のように繰り返すので、

話す側は正直なところ、話に熱を込めにくくなっています。

一生懸命アピールしようと思っているのに、アピールしすぎて、もう疲れてるんです。

 

そうは思いながら、受験生側のリアクションを見ていると、

こちらのテンションと、受験生の満足度は比例しません。

こちらの話し方に関係なく、受験生は満足感が高いんです。

 

 

 

前職で旅行会社の営業をやっていたこともあり、

「お客様満足度」には強い関心を持っているダーツーです。

以下私なりの考察です。

 

◆本学に対して受験生の志望度が高い場合

まず、受験生側がある程度調べてきています。

特に第一志望だった場合、こちらが想定しているよりも詳しいケースもあります。

そんな受験生が何を求めて本学のブースに来るのか。

私の経験に基づくと、

「自分(受験生)が調べて、学校に期待していることが、本当かどうか」

という答え合わせに来ています。

従って前述のとおり、本学の良いところを話すのが正解になります。

 

◆本学に対して受験生の志望度が高くない場合

志望度は高くなくとも、自分で選んでいる学校ですので、

受験生は本学に対して悪いイメージはありません。

何かしらぼんやりとした良いイメージを持っているか、誰かにすすめられたケースが多いですね。

この場合、受験生は何を求めて本学のブースに来るかと言えば

「なんとなく良いイメージはあるけど、具体的に何が良いの?」

ということを聞きに来ています。

こちらも前述のとおり、本学の良いところを話すのが正解になります。

ただ、志望度が高い受験生と違って、学部にこだわらず幅広く学校全体のことに重きを置くようになります。

 

◆本学のことを全然知らないけど、先生or親に言われてとりあえず聞きにきた

どう言われたのか知りませんが、本学のことを何も知らない状態です。

なので、本学の良いところを話すのが正解になります。

こちらもやはり、学部にこだわず幅広く学校全体のことに重きを置いて話をします。

 

 

 

以上からわかる通り、受験生側のスタンスがどうであっても、参加学校側の話の内容はほとんど変わりません。

全く同じ話を何十回と繰り返しするわけです。

 

 

 

勘のいい方はもうお気づきだと思いますが、

「それじゃあせっかく話を聞きに行っても学校の良し悪しを判断できないじゃん」

となるわけです。

 

ただ、これは事実です。

進学説明会というイベントの内実は、

「学校の良し悪しを正しく判断する」ことではなく、

「良いと思っている(良いと聞いた)学校の良い部分だけを確認する」

なんです。

 

こんな話を聞いたら、行く意味ないじゃん!って思いますよね。

なので、ここからは、どうすれば、進学説明会で学校の本質を聞けるかについて解説します。

 

 

 

他の記事でも書いてきましたが、学校というのは、とても特殊な組織です。

ただ、毎回同じことをするのは得意中の得意としています。

なので、参加受験生側は、自分にとって嫌なシチュエーションを想定して質問してください。

具体的に質問例を示しましょう。

 

まずはよくある質問(参加大学も即答で自信をもって答えられる質問)

・どんなことが学べますか?

・入試制度はどうなってますか?

・学費や留学費用はどのくらいですか?

・学生たちはどんな雰囲気ですか?

この辺がものすごく多い質問です。

答える側も簡単ですし、質問した受験生もどんな回答であってもそこまで驚くことはありません。

 

では、どんな質問をすると学校の本質が見抜けるのか。

◆学び系

・入学してから、学びたい内容が違ったな、と思ったら軌道修正は出来ますか(学部の変更は出来ますか?)

→だいたいの答えは「そうならないように、受験前の今、しっかり考えてください」となります。

 なので負けじと、「受験前にめちゃくちゃ考えて選んだけど、やってみたら違うなと思ったらどうなりますか?」と立て続けに質問しましょう。

 どんな答えでも構いませんが、即答か、悩むかを見てください。

 学校側が悩んだら、基本的に救済措置はないと思っていいでしょう。

 学生が我慢するか、退学か、2択になると思います。

 即答で答えが返ってきたら、信じていい学校です。

 

 その答えが満足いくかどうかは、ここでは問題にしないでください。

 だって、質問している状況(勉強してみたら違った)というのは、間違いなく少数派、それも非常に少ない少数事例だからです。

 そんな数少ない事例に対応する意志があるのか、ないのか。

 問題の本質はそこです。

 

 学校側が悩んだ場合には、基本的に対応する意志がないと思っていいでしょう。

 即答で何かしら返答があれば、それがたとえ、「その時に詳しく話を聞いて対応します」みたいなボヤボヤの回答であったとしても、

 学校組織として、少数事例に真摯に向き合う姿勢があります。

 これがポイントです。

 

◆学校全体系

・貴学の良いところを今話してもらったい以外に3つ、改善したいけど改善できていないことを3つ教えて下さい。

これは学校側は面食らいますね。

民間企業では、こういうのそこそこある話なんですが、学校業界はてんでダメです。

 

まず、良いところは、質問する前に勝手に話してくれています。

そういう話は、割と学校全体の大きな話題であることが多く、学生にとっては親近感がないケースが多いです。

例)国家資格を2つ、取得できる体制を整えています!→1個で十分なんだよなー。。。

なので、その後に出てくる話のほうが、より学生にとって親近感があります。

具体的には、

ゼミ文化が強く卒業してもゼミ単位で集まることが多い、食堂が美味しい、テスト落ちても必ず救済措置がある、などなど

いずれにせよ、この質問で出てきた良いところこそ、受験生が入学して最初に感じる「この学校に入って良かった」と思うことです。

 

次に、改善したいけど改善できていないことについて。

これは本当は、「貴学のダメなところはどこですか?」って聞きたいんです。

でもそんなストレートに聞いても「どこだろうなー。正直わからないなー」という嘘しか感じられない回答が返ってきます。

なので、「改善したいけど改善できていない」と聞きます。

そうすると、話している学校教職員個人の気持ちが出てきます。

これも、回答があるかないかで判断してください。

いい大人が、自分が所属している組織に対して「改善したいけど改善できない」ことがないわけありません。

もし、本当になかったら、その学校は宗教的に学生に偏った考えを刷り込んでいる可能性が高いです。

事実、話をしている教職員はそれを刷り込まれて、「改善すべきこと」さえ考えられないわけです。

そのくらいに自分が属している組織は最高だということになります。

やばw

 

回答があれば、まずそれだけでそこそこ信じるに値する学校です。

あとは回答内容を聞いて、その改善提案が納得できものかどうかを受験生側で判断してください。

 

 

 

とっても長くなりました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

それではまた次回!