学校ってどうして変なの?大学職員の日記

学校の文化や制度が変だと、よく言われています。なぜ変なのか、学校の中から考えてみます!

教育とは子供の未来を創ること。なのに現場は違う。。。

こんばんは。ダーツーです。

 

最近仕事をしていて思ったことを書きます。

 

私は大学の入試課に勤めています。

先日、高校の先生を対象に本学の良さをアピールする説明会を開催しました。

計100名以上の先生方にご参加いただき、盛況に終わりました。

 

もともと本学はグローバルに力を入れており、

2019年に海外大学とのダブルディグリープログラム※を開始したばかりでした。

※日本の大学と、海外の大学、両方の学位(卒業資格)を得るプログラム

 

このプログラムに参加している学生のプレゼンがメインだったわけです。

 

終了後はもちろん、参加いただいた先生方には内容の良し悪しについてアンケートを取っています。

その中でいくつかあったコメントが

「海外大学での経験を活かして就職までつながっていることが知りたい」

というもの。

 

ごく自然な感想だと思います。

 

これに関して

以下が一般的な学生目線のストーリー。

海外留学した→人生経験が豊かになった→人間として成長した→自分にあった企業に就職した

 

一方で世間(受験生側)が求めるストーリーはこちら

海外留学した→人生経験が豊かになった→人間として成長した→その経験を活かして就職した

 

どちらも自然です。なんの疑問もありません。

「自分にあった企業へ就職」と「その経験を活かして就職」の違いだけです。

我々のイベントに対するコメントもよくわかります。

 

では学校の内部ではこのコメントを受けてどう動くか?

※今書いた、学生目線と世間一般の違いはすぐに理解できない人たちです。

 

 

 

留学経験ってやっぱり語学力だよね!

でも語学力だけなら留学しないでもなんとかなるし、偏差値の高い大学の学生にはかなわない。。。

そうか!海外大学の厳しい授業で得たタフさを売りにすればいいんだ!
そうだ!そうだ!タフさを売りにしていこう!

と、私の横で部長が盛り上がっていました。。。

 

 

 

直球でいくと、感じが悪いので共感からの雑談をはさんで、私の言葉。

タフさを活かしたことがわかる就職先ってどこですか?企業名でも職種でもなんでもいいですが、イメージ論のレベルでタフさがわかる就職先ってなんでしょうか?

 

案の定、部長もしばし固まる。

間髪いれず、

それは誰もわからないと思うんです。だからこそ、方針を入試課と就職課で早い時期から議論して、入試広報と就職支援の双方でコンセンサス(共通認識、同意)を取るべきではないでしょうか?

多分、そこで議論しても高校の先生、高校生にまでちゃんと伝わる就職先って、7大商社レベルの大企業、日本でも著名な外資系企業(日本人が知らない外資系じゃ世界レベルでもダメ)、楽天ファーストリテイリングユニクロ)などの日系グローバル企業あたりしかないと思うんです。

となれば、留学前からそういった企業に目を向けさせるようなイベントを開催すべきではないですか?

 

と、言いました。

 

結果的に学生が興味を持たなければそれはそれで良いです。

ただ、学校経営として効果の高い広報戦略がわかっているのに、それに向けた努力をしないのはだめだと思います。

(本当はもっともっと優しい言葉で、もっともっと時間をかけて話しました(約1時間))

 

この私の言葉に対して、部長はものすごく理解を示してくれました。

嬉しかったです。

 

 

 

でも、部長からの返答は

就職課の誰に言えばわかってくれるかな?

就職課の中からそういう事言ってくれる人がいればいいんだけど、誰かいるかな?

でした。

 

これを読んでいる皆さんはわかってくれますでしょうか?

戦っているものが「未来」ではないことが。

 

教育とは子供の未来を創るものです。(多分世界共通)

 

ここで、問題となるのは、「子供」と「未来」の定義。

そして「創る」とは何を指し、何を意味するのか。

これが本質であるはずです。

 

だがしかし。

 

大学職員の仕事においては、

そんな本質は全無視ですwwwwww

 

過去記事にも書きました。

gakkou-why.hatenadiary.com

 

 学校運営における正義は「前例」なんです。

「未来」ではない。

「過去(前例)」が正義。

 

前述の、私が提案した入試課と就職課との議論は、

おそらく3年後くらいに始まるでしょう。

その時には、私はもうほかの事に着目している。

とにかく遅い。

 

見ているものが違います。

 

教育に関して、正しいこと見て、伝えられるのは家庭だけです。

完璧な親なんていない。

子育てしながら、今の子供を見てあげて、子供と一緒に親も悩んで成長すればいい。

 

というのを仕事でしたい。

 

 

 

 

ではまた次回!