学校ってどうして変なの?大学職員の日記

学校の文化や制度が変だと、よく言われています。なぜ変なのか、学校の中から考えてみます!

PTAにクレームを言いたいのに学校側がしっかり対応してくれない!なぜ?

こんにちは。ダーツーです。

 

今日はPTAについて書きたいと思います。

今時期は6月。ちょうど2021年度の役員体制とかを決め終わった頃でしょうか。

色んな所で聞きますが、このPTAという組織には疑問を持つ方が多くいます。

そしてそれを学校側に文句言っても、まともに対応してもらえない!という怒りが散見されます。

 

今回は学校側から見た、「まともに対応しない理由」を解説します。

 

まず、PTAは学校組織かと言うと、違うんです。

学校における外郭団体です。

なんじゃそりゃ?って思いますよね。

 

以下ウィキペディアより抜粋です。

日本におけるPTA(ピーティーエー、英語: Parent-Teacher Association)とは、各学校で組織された、保護者と教職員(児童を含まない)による社会教育関係団体。児童・生徒は、PTA会員ではない。みな等しく活動の支援対象である。任意加入の団体であり、結成や加入を義務付ける法的根拠は無く、全ての児童生徒のための無償ボランティア活動というのが、本来のあり方である。

引用元:PTA - Wikipedia

 

大きなポイントは

①PTAは無償ボランティア活動団体である

②保護者と教職員が同等の立場である

ということです。

 

そして、このウィキの文章でわかりにくいのがココ。

「各学校で組織された」

この一言から、「誰が作ったのか」という質問に対し「学校が作った」と勘違いする方が多いです。

しかし実際は違います。

 

「PTAを作ったのは保護者と教職員」です。

学校ではありません。

わかりにくいですねw

「教職員が作ったなら、学校じゃん!」と思うかもしれません。

そうではないんです。

 

「○○学校」がPTAを作ったのではなく、

「○○学校に通う子供の保護者と、○○学校に勤める教職員」がPTAを作ったのです。

PTA加入条件に「○○学校に通うor勤める」とあるのが混乱する原因です。

 

他の団体を例に考えてみましょう。

身近な例で「マンション管理組合」をあげてみます。

マンションに住むと、そこの管理組合に半ば強制的に加入させられますね。

この加入条件は「そのマンションに住んでいること」です。

隣のマンションに住んでいる人は入れません。

 

ではこのマンション管理組合は誰が作ったのか?

マンション施工会社でしょうか?マンション販売会社でしょうか?

違います。完成して最初に住みだしたマンションの住民達が作りました。

 

PTAも一緒です。何十年も前に日本のどこかからPTAという組織が生まれ、

全国に広がりました。

新設校では開校した際に、保護者と教職員が作ります。

 

PTAがわかりにくい組織となっているのは、前述のマンション管理組合を例にするとこんな状況なんです。

マンション施工会社(販売会社)の社員がそのマンションに住んでいて、その人たちが他の住民と一緒に管理組合に加入しているんです。

この状況がPTAに似ています。

 

本来は同じ、いち住民同士のはずですが、そのマンションを買うときに営業担当だった人が同じマンションに居れば、なんかあったらまずその人に相談しますよね?

それが仮に築15年くらいで「トイレの流れが悪くなったの」なんていう、明らかに老朽化が原因だろうという内容でも、その人に相談しちゃいますよね。

人間の心理として当然だと思います。

でもこれ、相談された側はどうでしょう?

営業担当だから修繕は管轄外。しかも築15年だから施工に問題があったとは考えにくい。

そしたら、「うーん。わかりました。今度の管理組合会議で議題に挙げますか。」という回答になるのは当然です。

一方、この回答に対し、相談した側は「え?なんであなたが動いてくれないの?あなたからこのマンション買ったんだよ?なんで?」という心理になるわけです。

 

これが、PTAと同じ状況です。

PTAの何かに不満を持って、子どもの担任の先生に相談します。

担任「うーん。わかりました。ではPTA会長に伝えておきます」

親「え?担任のあなたが動いてくれないの?あなたの受け持ちのクラスの問題だよ?」

担任「いや、PTAの話は学校側からは意見できなくて云々。。。」

親「どうして?学校のPTAでしょ?学校が動いてよ」

という構図です。

 

PTAは学校外であることを世間一般が認識していないので、このような問題がおきます。

 

ではPTAに不満を持ったらどう動くのが良いか。

それはPTAに直接言うことです。

役員名などは公にされているはずなので、担任の先生を通じて手紙を渡してもらうとか。

小学校であれば会長さんの自宅もわかるかもしれません。

その場合はポストに入れてもいいでしょう。

そんなやり方が確実にPTA執行部に言いたい事が伝わります。

 

次に伝える内容ですが、不満を言うのはもちろんですが、

「代案」を示すようにしましょう。

往々にしてPTA側も色んなことを考えてやっています。

それに対して不満だけ言われても、向こうも腹が立つだけです。

なので「こうしたら良いのではないか?」という新しい意見を入れる様にしてください。

大変恐縮ながら、それがないと子供が駄々をこねるのと一緒です。

 

ちなみに、このPTA問題は裁判になったケースも多くあります。

強制加入や、退会出来ない問題、PTA未加入の家庭の子どもには卒業式で花をあげない、などなど。

熊本PTA裁判 - Wikipedia

訴訟も起きている「PTAに入っていないと子どもに卒業祝い品をあげない」は許されるのか(大塚玲子) - 個人 - Yahoo!ニュース

大阪府堺市保護者会(PTA)裁判の概要 | 滋賀県栗東市PTAと栗東市立学童保育所保護者会の問題

どれを読んでも「PTAという組織の特徴」が大きな争点になっているのがポイントです。

ここの理解がPTAと保護者の相互理解に一番重要なポイントになります。

 

 

 

ちなみにダーツーは大学に勤めているので勤務先にPTA組織はありません。

大学になるとPTAの代わりに同窓会組織があります。

これは大学とは完全別組織となるんですが、やはり不思議なことに同窓会事務所は大学内にあり、かつ家賃なども払っていません。

なので、大学教職員でも同窓会組織が別運営となっていることを知らない人は多くいます。

で、もめ事を起こすのは別組織だと理解していない人達なんです。。。

別組織だとちゃんと理解していると、やり方が色々と変わってきます。

そこをちゃんと出来れば問題になることはほとんどありません。(大学では)

 

それではまた次回!